チュービンゲン大学の博士研究員になります

4月中旬に任期満了によりケンブリッジ大学を退職した後、5月下旬に日本に帰国して江ノ島近郊に滞在していましたが、10月1日より半年間、ドイツはチュービンゲン(独:Tübingen; 英:Tuebingen)大学で博士研究員(postdoctoral researcher)として勤務することになりました。私の博士論文の外部審査員であったDetmar Meurers氏や言語統計で著名なHarald Baayen氏がいらっしゃるところです。私自身はLEAD Graduate School and Research Networkという学際的な教育研究を行うセクションの所属となります。統計関係の授業を一コマ担当する以外は研究に注力できるはずです。ドイツで研究できる機会は今後もそうないでしょうし、色々と学びたいです。

渡独するに当たり、主にビザ申請と住居探しという2点が労力を必要としました。まず研究滞在ビザに必要な書類はここに書かれているのですが、諸々の確認のためにドイツ大使館に問い合わせを行ったところ、上記ページの書類に加え、学部から博士まで全ての大学の学位証明書と滞在期間全てをカバーする保険 1の証明書も提出するように言われました。またその際に、私の滞在が研究滞在ビザの対象となるかどうかを領事官に確認してもらえました。ビザ自体は保険がカバーしている期間に合わせて出るようです。ビザは予約を取ってドイツ大使館で申請するのですが、8月12日の時点で最短でも9月18日まで待たねばならず、ビザ申請が許可されビザを入手するまでに更に一週間ほどかかったためビザの入手はギリギリ(渡航日の前日!)となってしまいました。ビザ申請予約は大阪にある総領事館ではもう少し空きがあるようでしたが、住んでいる場所により申請場所が決まるのでどうしようもありません。

住居探しに関しては更に大変でした。チュービンゲンは大学街なのですが、大学規模が拡大し続けているにもかかわらず街の住居数はそれほど増えていないため、部屋探しは常に大変なようです。年度初めの10月は特に酷く、大学のジムで寝泊まりする学生もいるとのこと。ケンブリッジも大学街でやはり大学規模の拡大に住居数が追いついていない街でしたが、チュービンゲンほど酷くはありませんでした。チュービンゲンでは私が問い合わせた中でも、一件の空きアパートに対して24時間で150件の問い合わせがあったケースもあり、競争率だけだと就職活動よりも厳しいかもしれません。チュービンゲン大学にはWelcome Centerという我々のような国外から来る研究者の面倒を見てくれるところがあるのですが、そこも住居に関してはほとんどお手上げのようで、数件(こちらの条件を満たさずあまり魅力的ではない)物件を紹介してくれたほかは、物件紹介のウェブサイトを教えてくれたのみでした。

私は結局、ここここここここのウェブサイトで物件を探していました。とりわけここが役に立ちました 2。ウェブサイト上でおそらく数十件の物件に関して家主や現借主にメッセージを送りましたが、その過半数はレスポンスがなく、あった場合も他の人に貸すことが既に決まっている(あるいはそう決めた)という連絡や、主に賃貸期間に関する条件が合わない(もっと長期に亘り貸与したい大家が多い)ため貸せないというものでした。8月中旬から部屋探しを始め、9月中旬になっても何も決まっていなかったため気を揉みましたが、幸いにして渡航一週間前くらいに幾つか良いレスポンスがありました。結果的に最初の2週間強はある物件に滞在し、その後は数日間のホテル暮らしを経て、10月中旬から私がドイツを去る4月初旬まで別の物件に滞在する予定です。しかしそのためには当初予定していた家賃の上限を上げざるを得ず、半年間なので収支が多少マイナスでも何とかなるものの、これが年単位だと借りれないだろうというような物件になりました。折角なので、私の収入ではなかなか住めないようなアパートでの生活を半年間楽しみます。

Notes:

  1. 私はCare Concept社のものに加入しました
  2. サイトによらず、詐欺が横行しているようです。私も詐欺だと思われるメッセージを数件受信しました。私の場合は「自分は国外にいるから直接会うことができない。Airbnbを通じて家賃を支払ってくれ」というメッセージと共に、Airbnbに似せた他サイトに導かれる、という手口です。
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5 thoughts on “チュービンゲン大学の博士研究員になります

  1. ゆめこ says:

    はじめまして。
    わたしも今年の10月からTübingen大学で修士課程をするために生活を始めています。

    部屋探しに関してとても共感し、思わずコメントさせていただきました。
    本当に大変ですよね。。

  2. mrkm-a says:

    コメントありがとうございます。チュービンゲンで修士をされているのですね!何を学ばれているのでしょうか?こちらへ来てから意外と日本人の方々をお見かけしているで、ゆめこさんともどこかですれ違っているかもしれませんね。

    部屋探しは本当に大変ですよね。実は上の話には後日談があり、決まったと思い込んでいた二件目の部屋には候補者が複数いて、落選してしまいました。幸いにもそれと同時期にツテでOld Townにある部屋を紹介してもらい、昨日からそこに住み始めています。

  3. Sasata says:

    始めまして。
    私も来年春からチュービンゲン大学にポスドクとして渡独予定です。
    おっしゃる通り物件探しに難航しているところで、この記事の内容には非常にお世話になっております。

    何か物件情報がございましたら、教えて頂けると幸いとコメントしてみた次第です。

  4. コメントありがとうございます。既にチュービンゲンを離れているため、あいにく部屋探しにはお役に立てそうにありません。結局私の場合は所属先からのツテでなんとかなりましたが、チュービンゲン滞在中も部屋が見つからない人がいるという話を何度か聞きました。色々なところに連絡を取り辛抱強く探す以外の方法はないのではないかと思います。お役に立てずすみません。

  5. Sasata says:

    お返事頂きありがとうございます。
    渡独まで時間があるので、何とか探していこうと思います。

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