チュービンゲン生活

チュービンゲンに引っ越して2週間ほど経ったので、現時点での街やそこでの生活に関する感想を記しておこうと思います。

街自体は小さく、だいたいどこにでも徒歩で移動が可能です。それくらいのサイズなので、自転車を主な移動手段として用いている人が多い印象で、その点ではケンブリッジと似ています。街の大きさはケンブリッジ(徒歩30分で横断可)と同程度でしょうか。街の中で栄えている中心部の面積は割と広い印象です。これはドイツの街は勝手に拡大できない(建造物を建てて良い場所が法律で決められているそうです)ことと関連しているのかもしれません。街自体は拡大できないので、その代わりに栄えている部分が拡大するのではないかと思います。因みにドイツでは街の中心部(イギリスで言うCity Centre)をOld Townと呼ぶそうです。教会などがありそこから街が発展していったためそう呼ばれているのだと理解しています。

ドイツは物価が安いイメージがあったのですが、チュービンゲンに関しては東京はおろかケンブリッジよりもやや高いくらいかもしれません。家賃に関しては東京と同水準かやや低額ですが、そもそもチュービンゲンでは部屋を見つけるのが大変で、私に関しては許容可能な家賃を大幅に上げざるを得なかったので、そういったことを考えると家賃も安く抑えられるかどうかは運次第というところもありそうです。一方で給与水準はアカデミアに関して言えば、決して高くないイギリスよりも更に低いので、トータルで見ればイギリスに住んでいた時よりも苦しい生活になりそうです。これがチュービンゲン特有の話なのかドイツの他の街にも当てはまるのかはわかりません。

生活ができれば良いという基準であれば、ドイツ語は全く必要ありません。大学街ということもあるのでしょうが、街の人たちも大抵の人は英語をある程度は話すことができます。但し当然ながら店の看板やレストランのメニューなどは全てドイツ語で書かれているので、ドイツ語ができる(少なくとも読める)と利便性が大幅に増すのは間違いありません。また、DHLの支店でのみ英語対応をしてもらうことができませんでした。そんなわけで私はドイツ語のクラスに通い始めました。受講生の母語や出身地(南アフリカ・パキスタン・イタリア・アルバニア・ギリシャ・エクアドル・フィンランド・ルーマニア・コソボ・カザフスタン)が様々であるため、基本的にはドイツ語のみで授業が行われます。雰囲気が高校のESLのクラスと大変似ています。

ドイツではresidence registrationという、日本でいう住民票のようなシステムがあり、ドイツ内の住居に住み始めて2週間以内に市庁舎で登録をしなければなりません。ただしドイツ人やEU国出身者とは違い、日本人(など居住にビザが必要な人たち)は外国人局(Ausländerbehörde)というところで登録する必要があります。私は滞在期間を全てカバーするビザを持っているのであれば外国人局ではなく通常のRegistration Officeで登録すれば良いと大学で教えられたためそこに行って(1時間半以上待たされて)みましたが、ビザの有無にかかわらず私もやはり外国人局に行かなければいけなかったようで、翌日そこで登録を行いました。登録自体はほんの数分でしたが、登録に必要な書類には大家などに書いてもらうものもあり、その準備に多少時間を要しました。

SIMカードはイギリスでも使っていたO2と契約しました。SIMカードの契約のためにはドイツの銀行口座が必要で、まずはそこから始める必要があります。ただ銀行口座は給与を受け取る際などにも必要ですし、作っておいて損はありません。またチュービンゲンは(ドイツは?)東京程度にはキャッシュ社会なので、キャッシュを常に持ち歩く必要があります。そのためにもこちらでの銀行口座は必要です。銀行口座を開くには上記のresidence registrationを行っていなければならないと言われるのですが、実際はそうでなくても開ける場合が多いようです。
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