Tier 2 visaの更新

バーミンガム大学を2015年10月に任期満了に伴い退職し、同月から古巣のケンブリッジ大学にてResearch Associateという職(実態はポスドク)に就いています。現職の研究内容についてはまた追々書くとして、今回は気を揉んだビザ更新の話を。

英国で日本人が働くためには、現在のところTier 2というビザを取得しなければいけません。このビザには「一度切れると向こう一年間は同種のビザを申請することはできない」という規則があり、今回はそれが焦燥の種となりました。

昨年7月時点での状況(と私が理解していたこと)は

  • 当時のビザは10月中旬に失効する
  • 現プロジェクトのPIと現プロジェクトのスポンサー企業の間では、ポスドクとして私を雇うことの合意ができている
  • しかし雇用を含め、プロジェクトに関する契約にはケンブリッジ大学とスポンサー企業双方の弁護士が関わってくる
  • ケンブリッジ大学がポスドクを雇うには、大学とスポンサー企業の間で正式な契約が必要

というものでした。つまり、ケンブリッジ大学とスポンサー企業が正式に契約を結び、その後10月中旬までに私がビザの更新をできなければ、私はケンブリッジ大学でのポスドク職を諦めなければいけないばかりか、少なくともその先一年間は英国で働けなくなる可能性が高いという状態でした。

実はビザ問題に加え、当時はバーミンガム大学での契約は8月末までの予定だったので、「いつ」ケンブリッジでの職を始められるかも大きな関心事でした。しかしこちらはたまたまバーミンガム大学でのプロジェクトで雇用されていたもう一人のポスドクの次の就職先が早くに決まり、彼の残りの任期を私の任期に上乗せしてもらえたため、バーミンガム大学での雇用も10月中旬までとなり、事なきを得ました。しかしビザの期間がそれに伴い伸びるわけではないので、10月中旬までに私がビザの更新を行わなければいけないという点は変わりませんでした。

結論から言えば、大学とスポンサー企業の契約は10月中旬までには締結されませんでした。どちらが良い悪いという話ではなく、弁護士を通した契約とは時間のかかるものなのだと思います。しかし、契約の締結間近であったためそれ以降に覆ることはないだろうと判断され、結局は学科が一旦私の給与等を建て替え、契約締結後にプロジェクトの予算から払い戻すという形で了承されました。文字で書けば数行ですが、渦中にいた身としては落ち着かない日々を過ごしていました。最終的にゴーサインが出たのは10月の上旬で、それから10月12日にバーミンガムでビザの更新を申請し 1、即日許可されました。

またこれには後日談があり、実はビザ申請はもう一ヶ月猶予があったかもしれません。当時のビザは10月中旬に失効する予定でしたが、ビザが失効してもその後一ヶ月間は英国に滞在することができます。私はその期間は国外に退去するための準備期間であり、ビザの申請などはできないと思っていたのですが、後から友人に聞いたところによると、その期間にも申請は可能だそうです(私は未確認の情報です)。更に、これも同じ友人に聞いた話ですが、パスポートなどビザ申請に必要な書類の一部のみでも英国のビザ担当機関に送ると審査が始まるので、その他の書類はその後に求められた時に提出すれば良いらしく、もしそれが可能だとすると一部の書類提出(私の場合は雇用者から発行してもらう必要のあるCertificate of Sponsorshipの提出)を遅らせることができることになります。こういった抜け道は調べなかったのですが、今から思えばこの辺りももう少し調べておくべきだったかもしれません。

Notes:

  1. ケンブリッジ大学がスロットを押さえていたため、大学を通して容易に予約を取れました。通常ルートで都合の良い場所と時間で予約を取るのは難しく、2013年に初めてTier 2ビザを取得した際はケンブリッジからリバプールまで片道4時間以上かけて申請しに行きました。ロンドンやバーミンガムなど立地の良い場所の申請スロットはその多くの部分を大学やビザ申請斡旋企業が押さえているようです。
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